せん妄とは、突然発症する意識障害の1種です。
時間とともに症状は変動し、通常は短期間で回復します。
病院や施設でも入院・入所直後に不穏な行動がみられたり、手術後の術後せん妄などが有名でしょう。
今回はせん妄の原因についてまとめます。
せん妄の種類
せん妄には、ぼんやりとしていたりごそごそと動き回ったりするものの、それほど大きな動きは伴わない「低活動性せん妄」と、大声を出して暴れたり動き回ったりする「過活動性せん妄(高活動性せん妄)」、そして両方が混在する「混在性せん妄」の3種類があります。
過活動性せん妄では本人が転倒したり介護者がケガをする危険性があるため、介護者の負担は大きくなります。
また、見逃されやすい低活動性せん妄にも注意が必要です。気づかずに経過してしまうと、せん妄が長期化して原因となっている疾患の治療や解決が遅れることがあります。
せん妄の症状は?
せん妄状態の時は、軽度から中度の意識の混濁を起こし、次のような症状が現れます。
- 日時や時間、場所が分からなくなる
- 自宅や入院先から「帰る」と言い出す
- 幻視 ・怒りっぽくなる
- 落ち着きが無くなって、動き回ったり物を動かしたりする
- つじつまの合わない話をする
- 過去と現在を混同する
- もの忘れがひどくなる
- 点滴の管などを抜いてしまう
など このような症状が、短時間現れて消えたり他の症状に切り替わったりします。
これらは全て不安な気持ちや環境の変化から生じているものだと思います。
せん妄の原因
喫煙歴や認知症、慢性疾患などせん妄を引き起こしやすい条件があります。
高齢による脳の機能低下も、せん妄を引き起こしやすい条件の1つです。
せん妄を引き起こすメカニズムははっきりとはしていませんが、転居などの環境の変化、身近な人との死別などの心理的ストレス、薬の成分への反応、急病や手術、脱水、睡眠不足といった生理学的な変動や精神的ストレスなどの要因が加わって引き起こされます。
せん妄の原因は1つとは限らず、複数の因子が組み合わさって引き起こされることがあります。
せん妄はしばしば認知機能低下と混同されることが多いですが、しっかりと鑑別することが重要です。
対処方法を変えるだけで改善がみられると思うので、原因を見極めて対処法を考えていきましょう。
参考になれば嬉しいです。
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