歩行を診る時にどこに注目してみているでしょうか?
今回は
歩容でみられることが多いトレンデレンブルグ徴候とデュシェンヌ現象の定義を再確認していきたいと思います。
トレンデレンブルグ徴候とデュシェンヌ現象の定義
トレンデレンブルグ徴候(Trendelenburg sigh)とは「種々の股関節疾患に伴ってみられる理学所見で、患側で片脚起立すると健側の骨盤が患側より下がる症状」と定義されています。
名称の由来ともなっているドイツの外科医トレンデレンブルグは、この現象が股関節外転筋の機能不全を伴う先天性股関節脱臼症例で観察されることを報告しました。
1869年、フランスの神経生理学者デュシェンヌ(Duchenne)は、股関節外転筋群の麻痺により片脚立位時に患側への体幹傾斜と骨盤の傾斜が起こる現象(デュシェンヌ現象)を報告しています。
トレンデレンブルグ徴候は股関節疾患に観察され、デュシェンヌ現象は神経麻痺性の疾患に観察されると報告された点が異なるだけで、現象そのものは、ほとんど同一であるとされています。
現在,この2つの現象は,次のように区別されています。
トレンデレンブルグ徴候陽性の場合は、「外転筋力の機能不全が存在する下肢で片脚立位となった時、遊脚側下肢の重量に抗せずに遊脚側の骨盤が墜下する現象」を指します。
また、遊脚側への体幹傾斜がみられる場合もあります。
これに対してデュシェンヌ現象陽性の場合は、「外転筋力の低下している下肢で片脚立位となった時に立脚側へ体幹が側屈する現象」を指し、かつ骨盤傾斜も起こるとしています。
簡単ですが図は以下のようにまとめました。
普段診ている内容の復習ですが、基礎的な内容であるからこそ正確に定義していきたいですね。
参考になれば嬉しいです。
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