フレイルを検出するためには基本チェックリストが有効【リハビリからの予防】


フレイルのアセスメントツールとしては、介護保険の介護予防事業に導入されエビデンスもある 25 項目の「基本チェックリスト」の活用が望ましいと国立長寿医療研究センターから報告されています。

フレイルは様々な原因によって起こりますが、基本チェックリストを用いるとフレイルが特定できるといわれています。


この二つのことに関して今回はまとめていきます。

今回、

  • フレイルとは?
  • 基本チェックリストリストとは?

について解説していきます。



フレイルとは?

加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像

という様に記されています。


フレイルの障害像

フレイルは健康と介護状態の間の状態のことをいいます。

これは悪化するだけではなく、早期に発見することで正しいアプローチをすれば、改善するといわれています。


フレイルの基準

Friedが提唱したものが採用されていることが多いです。

Friedの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。


フレイルの側面

フレイルには3つの側面があり、それぞれの原因によって分かれています。

サルコペニアロコモがあるとそのリスクが高くなりますね。

これらの側面があることでフレイルの状態となります。


生活不活発病

フレイルは外出機会や活動意欲に影響を受けます。

下の自覚症状がある場合は活動機会や意欲が低下している疑いがあります。


フレイルサイクル

フレイルは単一の原因でなく複数の原因が関連して引き起こされます。

それをフレイルサイクルといいます。

フレイルサイクルは様々な要因が関わっているので、予防や改善のためには多面的にアプローチする必要があります。




基本チェックリストとは?

基本チェックリストは、生活状態や心身の機能に関する25の質問に対して「はい」か「いいえ」で回答する自記式質問票です。


基本チェックリストはその項目によって評価している項目があります。

以下の通りです。

  • 1-5  日常生活関連動作 
  • 6-10  運動器の機能 
  • 11-12 低栄養状態 
  • 13-15 口腔機能 
  • 16-17 閉じこもり 
  • 18-20 認知機能 
  • 21-25 抑うつ気分

また、チェックがついた項目の数によって低下している機能が分かるような項目となっています。

  • ①「20項目(1-20)」 10 項目以上
  • ②「運動器の機能(6-10)」 3 項目以上
  • ③「低栄養状態(11-12)」 2 項目
  • ④「口腔機能(13-15)」 2 項目以上

基本チェックリストとフレイルの関連性

これまでの研究で基本チェックリストとフレイルの関連性が言われております。


先行研究1)では、要介護状態にない高齢者 164 名(平均年齢 76.4 歳)を対象に、基 本チェックリストの総合点(#1~25)と CHS 基準の該当項目数の関連性を解析しています。

この 2 つの指標は 有意に関連し(ρ=0.655,p<0.001)、CHS 基準のフレ イ ル に 対 す る ROC曲線下面積は 0.92、プレフレイルに対する ROC 曲線下面積は 0.81 でありました。

このことから、基本チェックリストの評価項目によってフレイルの疑いとなることがわかっております。


フレイルは3つの側面を持ちますので、基本チェックリストからそれを評価することできればより包括的に評価できると思われます。

比較的簡便に調査できるものですので、疑いのある方や、高齢者の研究でプロフィール調査をする際は、調査すると有益かと思います。


今回、フレイルと基本チェックリストの関連性をまとめてみました。


それぞれの解説に関しては、多くの論文やネット記事でまとめられているのを参考にさせていただきました。


参考になれば嬉しいです。



参考文献
  1. 佐竹昭介.基本チェックリストとフレイル.日老医誌 2018;55:319―328

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