「素早い動きを行いたい」
「パフォーマンスアップしたい」
単純な筋力トレーニング(いわゆるBIG3)も重要ですが、それらの筋力だけではパフォーマンスに生かされません。
スポーツを行うのに重要な能力である“瞬発力”にスポットを当て、この瞬発力を高めるための「プライオメトリクス(プライオメトリック)トレーニング」を解説します。
プライオメトリックトレーニングは一般的に知られるのはデプスジャンプ、アンクルホップ、ボックスジャンプ、メディシンボールスローなどでしょう。
陸上競技の短距離やバスケットボール、ラグビー、野球などスピードとパワーが必要な全てのスポーツで有効だと思われます。
今回はプライオメトリックトレーニングの原則と代表的なデプスジャンプのポイントについてまとめていきます。
プライオメトリックトレーニングの原則
人間の移動は筋肉の「伸張」「収縮」を繰り返して行われています。
足が接地した時に筋が引き伸ばされ、伸張反射が起きます。
この伸張反射と筋が引き伸ばされた時の弾性エネルギーを筋の短縮する局面で利用することで爆発的なパワーが生まれます。
これは筋の伸張−短縮サイクルといわれています。
そのため、爆発的な筋パワーを向上させるには、筋量に加えて伸張−短縮を行う時の弾性エネルギーも重要です。
デプスジャンプのポイント
プライオメトリクスによる筋パワーを発揮するためのポイントをデプスジャンプを例にまとめると、
- 股関節・膝関節・足関節の連動と伸展作用
- 上肢との連動(腕振り)
- 接地方法
となります。
デプスジャンプとは台から跳び降りて着地後すぐに上方に跳ぶというものです。
一連の流れは動画を観てみるとわかりやすいと思います。
股関節・膝関節・足関節の連動と伸展作用
足関節は短いコンタクトの時間で伸張−短縮が必要になります。特に下腿三頭筋の影響が大きいため、個別にトレーニングするのも良いでしょう。
私は低い段差を用いで、伸張位の状態でカーフレイズなどを行っています。
膝関節もハムストリングスと大腿四頭筋によって衝撃の吸収とジャンプを行っています。
膝関節が上手く連動できないと、ぎこちない動きになったり、衝撃の吸収が上手くできません。
上肢との連動
上方に跳ぶ場合は下肢の力だけでなく、上肢を振り上げて体全体を上方に引き上げる必要があります。
例えば、立ち幅跳びを行うときも腕を振った場合と腕を振らない場合で違いがあると思います。
腕を振るタイミングや、腕の角度などが重要です。
接地方法
接地方法は大きく二つに分けられます。
前足部で接地:スピードを出すための短いコンタクト
足底で接地:スピードは遅いが大きな力を出す。大きな衝撃を吸収する。
広い接地面の方が支持基底面が広いため大きな力を出すことができ、大きな衝撃を吸収することができます。
その状況に応じてこれらの動きを使い分けることができると良いです。
プライオメトリックトレーニングを行うことで、俊敏で高速な動作を行うことができます。
スポーツ動作ではほとんどの競技で必要な能力であるため、パフォーマンスアップのために取り入れてみてください。
参考になれば嬉しいです。
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