コーディネーションとは知っているでしょうか?
一般的なコーディネーションとは「調整」という意味を持ちます。
子どもの運動神経に関わる能力でドイツ発祥のトレーニングになります。
私は子どもの身体づくりにおいてとても重要な能力だと思っていますし、理学療法士としてこの分野に関わっている人が少ないので興味ある分野です。
この記事は
- 子どもを育てている(関わっている)
- 子供の運動神経を伸ばしたい
- 身体づくりに興味がある
こんな方に読んでもらえればと思います。
以下の内容についてまとめたいと思います。
- コーディネーション能力とは?
- 具体的なトレーニング
目次
コーディネーション能力とは?
Bernstein(1967)は、コーディネーション能力の概念を提唱しました。
これは旧東ドイツ発祥で体内外の情報や刺激を瞬時に判断し行動する能力のことです。
Schnabel(1973)は、コーディネーション能力を7つの能力に分類しました。
そのコーディネーション能力は以下の7つに分類されます。
日本でも研究が進み、東根(2002)らは、コーディネーショントレーニングと動作法を併用することにより、コーディネーション能力が向上することを証明しました。
望月(2008)らは、fMRIを用いて、コーディネーショントレーニングを実施した時だけでなく、コーディネーショントレーニングのビデオ映像を見た時も脳活性が見られたことを立証しました。
また、運動機能の改善に貢献するだけでなく、スポーツはもちろん医療現場においてもコーディネーショントレーニングの有効性があると述べています。
そのため、子供のトレーニングだけでなくスポーツ選手や高齢者にも有用とのことです。
コーディネーショントレーニングは 1人1人に合った内容で行っていく必要があります。
よくある体操教室やスイミングスクールやスポーツクラブだと集団を対象に行っていたり、競技の練習に取り掛かってしまうのでなかなか一人一人に合ったものが定着していかない現状があると思います。
子どもは単純な作業やできないことが繰り返しになると飽きてしまうことが多いと思います。
そのため、なるべく複数の内容を短時間で多く行うことが必要です。
工夫するポイントを以下に記載しました。
- 両側性 前後左右上下、前に進んだら次は後ろ、右で出来たら次は左というように。
- 複合性 運動の組み合わせ、足の運動に手の運動を加えるなど、複数の動きを組み合わせる。
- 対応性 例えばテニスボールを使った運動をバレーボールで行ってみる。
- 不規則 合図を変えたり、フェイントしたり、意外性のある動きを意識して取り入れる。
- 変化度 ひとつの運動ができたら、少しずつ難易度を上げて次に挑戦する。
普段の遊びや運動にこれらの要素を取り入れることで神経的な発達を促すことが出来るのです。
具体的なコーディネーショントレーニング
さて具体的には何をすればいいのでしょうか?
今回は4つのトレーニングを紹介します。
マリオネット
変換能力 連結能力 リズム能力 バランス能力
腕は上・横・下の3拍子、脚は閉じる・開くの2拍子を同時にできるだけ素早く行います。
リアクションジャンケン
変換能力 反応能力 バランス能力
二人組で一人がリーダーとなり、リーダーが出したものを視覚でとらえ、あと出しで同じものを出す。
次に、同時にじゃんけんをし、その後もう片方の手でパートナーの出したものを素早く出す。
クラップキャッチ
定位能力 変換能力 識別能力 バランス能力
ボールを真上に上げ、体の前と後ろで交互に、ボールをキャッチするまでに、可能な限り多く手をたた。
ツーボールパス
定位能力 変換能力 識別能力 リズム能力
二人組でそれぞれがボールを持ち、同時にボールを投げてパスをする。パスしたボール同士が当たらないように、パートナーと事前にパスする高さを話し合う必要がある。
子どもの運動神経は大人になっても活きてくると思います。
そのため、コーディネーション能力を高めることに関して理学療法士がもっと関わっていっていいと思います。
私はこの分野で研究や普及活動を近いうちにしていきたいと思っています。
参考になれば嬉しいです。
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