経済産業省におけるヘルスケア産業政策からみた今後の働き方


ヘルスケア産業は経済産業省より出されている政策です。


先日行われた、第7回予防理学療法学会の基調講演で紹介されていましたので、

解説していきたいと思います。


  • ヘルスケア産業とは?
  • リハビリとの関連は?

以下のことに着目して解説していきます。




ヘルスケア産業とは?

背景

社会の高齢化率が急速に高まる中、社会保障費の拡大が財政を圧迫する要因となるとともに、労働力の減少に伴う経済活動の停滞が懸念されています。(図1)

図1 人口統計

これからは65歳以上の高齢者人口は横ばいとなっています

今後の急速な高齢化は若年層の減少が原因といえます。


社会保障給付費は年々増加しており、2016年度118兆円を上回る水準となっています。(図2)

医療給付費は現在の約36兆円から2025年度には約54兆円に達する見込みで、

介護給付費は、現在の約9兆円から2025年度には約20兆円に達する見込みになっています。


図2 社会保障給付費 国立社会保障・人口問題研究所、厚生労働省等より

実際、医療や介護が必要な医科診療費(2013年度)の3分の1以上が生活習慣病関連であります。(図3)

生活習慣病関連のほか、老化に伴う疾患、精神・神経の疾患の占める割合が高い内訳となっています。

図3 医科診療費の内訳


そのため、まずは大部分の生活習慣病を予防していくことが重要です。

実際、特定健康診査に未受診の方も多く、この中に将来的に疾患を有する方が含まれているということが想定されます。


そして、老化に伴う原因も多いことから、加齢しても健康で入れるように健康寿命と平均寿命の差を埋めていくということも必要です。

これがヘルスケア産業の背景になります。



リハビリとの関連は?


ヘルスケア産業を創出するために

公的保険外の予防・健康管理サービスの活用を通じて、生活習慣の改善や受診勧奨等を促すことにより、『国民の健康寿命の延伸』『新産業の創出』を同時に達成し、『あるべき医療費・介護費の実現』につなげるます。


具体的な方法は

  1. 生活習慣病等に関して、「重症化した後の治療」から「予防や早期診断・早期治療」に重点化 
  2. 地域包括ケアシステムと連携した事業(介護予防・生活支援等)

が挙げられています。


1の生活習慣予防の関わりとしては人間ドックや企業へのヘルスケア活動の促進が求められますね。

働いている世代の健康に関わるために、就労関係での関わりやスポーツ活動の促進といったことがいえるでしょう。


2の地域包括ケアシステムとの事業は地域での介護予防教室や在宅にいる高齢者の参加・活動を促す事業を創生していく必要があります。

公的保険外のサービスということもキーポイントであると思います。

公的保険は医療機関の受診などが必要ですので、

リハビリ職が予防分野に関わるには、公的保険での関わりよりも保険外サービスを行っていく必要があるでしょう。


具体的な方法の提示は出来ないですが、地域の実情に合わせた関わりをするために、最低限、地域の特性を理解しておく必要はあるかと思います。



今回は政策内容であったので大まかな内容となってしまい具体的な方法が提示できませんでしたが、紹介程度とさせていただければと思います。


参考になれば嬉しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA