足関節捻挫 運動療法【応用】

前回足関節捻挫の評価についてまとめました。

足関節捻挫【現場や臨床での評価】

その続きです。

運動療法に関してまとめたいと思います。

  • 足関節捻挫を現場で対応することがある
  • 受傷から復帰までを知りたい
  • といった方に読んでもらえればと思います。

    私は現場で足関節捻挫後の選手や学生を見ていると、痛くなくなってすぐにボールを蹴ったり試合に参加しようとするパターンが非常に多いです。

    そうすると悪化や再発といった可能性が考えられます。

    今回は復帰までに行っておきたい運動療法を紹介するのでワンポイントとして試してみてください。


    運動療法

    一般的に捻挫後のトレーニングは腓骨筋トレーニングや足趾把持のトレーニングを行うことが多いと思います。

    確かに足関節の安定性を獲得するには必要なトレーニングですが、その他の部位のトレーニングや運動学習を行っていくことも重要です。


    体幹トレーニング

    元々体幹の使い方や出力が不十分で、それが原因となって捻挫を引き起こすというケースが多くあります。

    そのため体幹トレーニングは重要なのです。

    体幹筋は「腹横筋」「内腹斜筋」を中心としたものを指しており腹圧を上昇させることにより体幹の安定性に寄与します。

    体幹の機能が低くDraw-in(腹横筋のトレーニング)でも収縮が入りにくい選手が競技の最中、腹部筋をしっかり使って着地などの動作ができる可能性は低いでしょう。

    具体的には臥位や側臥位、四つ這い位などのいろんなポジションでそれら体幹のトレーニングを行います。

    足関節に負荷をかけないように、足をベッドから出せば四つ這いや膝立ちでも可能です。

    運動学習

    動作時のアライメント不良となっているケースもあります。

    ジャンプ着地時に足関節が底屈位となっていたり股関節や骨盤の回旋の代償がみられるといったところです。

    これらを修正するには動画や静止画、鏡で見せて、視覚的フィードバックすることと、あとは本人に骨盤を触らせ、今どういう状態になっているのか認識してもらうことが必要です。

    私はよくipadなどを用いています。具体的にAirdropしてもいいかと思います。

    骨盤の回旋を修正すると下肢のアライメントが連動して非対称になる場合もあるため、運動連鎖を考慮しながら慎重に修正を繰り返します。

    片脚立ちやランジなどでも同様で、繰り返し動きを覚えながら、さらに足りない部分を補っていきます。

    あとはBOSU®クッションなどによるバランストレーニングが足関節捻挫の運動療法として有効なので、積極的に行っていきます。

    しかし、ただ乗ってバランス保つだけではなく、その上でもう一つ課題(キャッチボール)を与えたり、受傷時に近い動き、たとえば右後方にジャンプした際に受傷したのなら、同じ動きのなかでバランスをキープできるかなど、受傷機序を再現させなかで、重心やアライメントを保つことができるようにアプローチしてきます。


    足関節捻挫後に対する評価と運動療法についてまとめました。

    こちらでまとめたことは教科書的なことよりも+αな内容なので一つの視点として参考にしてもらえればと思います。

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