足関節捻挫【現場や臨床での評価】

足関節捻挫はスポーツ現場において非常に多い疾患であり有名です。

実際になったことがある方は分かると思いますが、受傷した時は非常に痛い怪我ですが数日たつと収まってくるのも事実です。

そんな疾患であるからこそ現場では軽視されてしまうのが現状です。

捻ったけど痛くなくなったから大丈夫・・・

捻挫はケガじゃない!

こんな風に思う選手や指導者もいます。

この記事は

  • 足関節捻挫を現場で対応することがある
  • 受傷から復帰までを知りたい
  • という方に読んでもらえればと思います。

    私も高校サッカー部のトレーナーをしていて現場で足関節捻挫を急性期から復帰まで対応することがありますし、外来でも来院することもあります。

    その中で実際に使えそうなポイントをまとめてみます。


    問診要項

    基本的に私は問診を以下の項目に基づいて進めています。

  • 受傷時の活動やプレーの状況(試合/練習、攻撃/守備、ポジション、疲労度、集中力など)
  • 受傷時のアライメント(足部・膝・股関節・体幹)
  • 物的環境(シューズ、サーフェイス、装具やテーピングなど)
  • 受傷時・直後の自覚症状や現象(異常感覚、痛み、腫脹など)
  • 受傷後の対応(プレー中止/続行、応急処置の有無、受診の有無)
  • 現場で直接見ていれば省くポイントはもちろんありますが、主にこれらのことは対応しながらでも聞きます。

    また、対応前には予測として

  • ポジションは?
  • 競技の特性・レベルから、捻挫の既往がありそう
  • より詳細な受傷状況を本人に確認しよう
  • 当院受診までの対応、経過を確認する必要があるな
  • 痛み、腫脹、熱感、皮下出血があるだろう
  • 痛みの状態に合わせて、前方引出しテストや、内反ストレステスト(底屈位)でATFLの安定性をみよう
  • 安静度と共に、今後の練習、試合日程など復帰プランを確認しよう
  • などのスクリーニングを頭の中で行うこともあります。

    このようなスクリーニングと身体機能的な評価を組み合わせることで適切な評価を行うことが出来ると思っています。


    身体機能評価

    続いて身体機能や患部の評価に移ります。

    患部の評価

  • 前方引き出し
  • 内反 / 外反ストレス
  • 脛腓間コンプレッションテスト
  • その他の損傷が無いか(骨折・筋腱の障害・神経損傷)
  • 視診(腫れの有無・色)
  • 触診(熱感・硬さ)
  • を行っています。

    現場レベルでは診断はできないのであくまでも障害の程度や状態を確認するといったイメージです。

    身体機能評価

  • ROM 足関節(必要であれば膝や股関節など)
  • 筋力 足関節(膝関節・股関節・体幹も)
  • マルアライメント (アーチ・LHA・距腿関節・下腿内外旋)
  • 可動性(脛骨・腓骨・距骨)
  • 歩容
  • 基本動作時のアライメント(ランジ・スクワット・サイドジャンプ・ジャンプ・両足着地・片脚着地・180°ジャンプ・360°ジャンプ・ホップ・切り返し・ダッシュなど)
  • スポーツ特異動作(ダッシュ・踏み込み・ドリブル・キック・シュート・リバウンドキャッチ・スライディングなど)
  • もっと詳しく書くとまとまりが無いので項目のみを挙げました。

    具体的な症例を今後提示してみても面白いかもしれないですね。

    回復の段階と動作のレベルを上げていって遅れていないか?過度な負荷となっていないか?など考慮します。

    特に試合前などの重要な場面ではしょうがない場合もありますが、基本的に練習や練習試合レベルであれば無理をさせずに休めることも伝えます。

    本人の意思もあるので100%とは言わないですが、こちらから選択肢どこの目標に向かって直していくのかを提示してあげると(特にジュニア・ユース年代)本人もはっきりとすることが出来ると思っています。


    本日は足関節捻挫の現場や臨床で行う基礎的な評価をまとめてみました。

    もしこんな評価も行っている等あればご意見ください。

    参考になれば嬉しいです。

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