転倒による骨折などの外傷でリハビリを受ける方も多いと思います。
一般的には身体機能で筋力やバランス練習を行い、動作の再獲得を図っていくことと思います。
その中で今回、注目したい点は「注意機能」です。
意外と見落としがちな機能ですが、転倒する原因としては非常に大きいです。
「注意機能と転倒の関係性」
「リハビリで行う注意機能トレーニング」
についてまとめていきます。
注意機能と転倒
「注意」は前頭葉が担う機能であり、注意機能評価として有名なtrail making test(TMT)や仮名拾い検査などの遂行中には,前頭葉の賦活が得られることが明らかとなっています。
高齢者の転倒に関する要因はこれまで多くの研究で報告されてきました。
その中で、明らかな運動機能や認知機能の低下がなく、比較的これらの機能が維持されているような高齢者の転倒には、注意機能の低下が転倒に影響を及ぼしている可能性が高いとされています。
実際、活動量や身体機能が高い高齢者が
「段差に気づかず躓いた」
「床が滑りやすいことに気がつかなかった」
といった声を聞くことが多いと思います。
例えば、敷居や段差、不整地、それに暗所など、生活範囲内で転倒の危険性を高めるような環境因子があっても、それらに適切な注意が向けられることによって、転倒を未然に回避することが可能です。
しかし,転倒する人はそれらに向けられる注意が不適切であることによって転倒に至ってしまうのです。
つまり、どのような外的要因があるにせよ、それに対応しうる能力が備わっていれば転倒を回避することは可能と思われます。
そのため「注意機能」は転倒予防に重要な役割を担っていると考えられます。
注意機能トレーニング
注意トレーニングは二重課題を用いたものが多いです。
認知課題 + 運動課題
を組み合わせたものを行うことで、注意しながら動作を行うといった能力を獲得いていきます。
これらの運動では負荷が低い方は、歩くスピードを早くしたり、足踏みをしたり、他の方と行うことで刺激が多く入るようにしていきます。
少しできて少し間違う程度が負荷量としては良いかと思います。
高齢者の転倒と注意機能の関係についてまとめました。
視点の一つとしてもらえればと思います。
参考になれば嬉しいです。
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