高齢者へノルディックウォーキング介入の効果は?【文献】

ノルディックウォーキングを知っていますか?

そうです。

あの歩くときに使っている棒のことです。

今回は

  • ノルディックウォーキングの効果を知りたい
  • 高齢者の活動量を増やしていきたい

といった方に読んでもらえればと思います。

私はノルディックウォーキングによる介入はしたことがないのですが、実際体験してみると意外と難しく、

これでスタスタと歩いている高齢者の方は相当なベテランだということがわかりました。(笑)

よく運動公園にいますよね?

私は郊外に住んでいるので見かけることが多いのですが、

都会の方もみたことはあるのではないでしょうか?(笑)

私自身知らないことが多かったので基礎的なことからまとめてみました。


ノルディックウォーキングとは?

ノルディックウォーキングとはフィンランド発祥です。

フィンランドでは「誰でも簡単に行える運動」として誕生しました。

ドイツ、オーストリアなどヨーロッパを中心に人気が高いといわれています。

運動内容は両手にスキーのストックのようなポールを持ち行う歩行運動です。

上の画像のようなものですね。

実際ポールは¥10,000前後するようで、2本揃えると¥20,000前後なので料金としては安くはないですよね。

しかし、毎日行える運動ですし簡単なのでまさに最初のコンセプト通りだなと思います。

実際日本はどうかというと

日本における愛好者は5万人程度とされているようです。


ノルディックウォーキングの効果

さてノルディックウォーキングが広く行われていることがわかりましたが、

どのような効果があるのでしょうか?

  1. 同強度のウォーキングとノルディックウォーキングを比較すると心拍数が5-17拍/分高くなる
  2. ウォーキングと比較し、ノルディックウォーキングはエネルギー消費量が20%増加する
  3. 頸部や肩関節周囲筋の緊張と疼痛が緩和される
  4. 頸部と脊椎の可動性が有意に増加する
  5. 前腕の伸展筋と三角筋後部線維、大胸筋、広背筋がより多く動員される
  6. 足関節や膝関節の負担を少なくする
  7. 1時間当たり400Kcal消費する(通常のウォーキングは280kcal程度)

いかがでしょうか?

かなり多くの効果がありませんか?

活動量やエネルギー量はイメージできますが、上肢や頸部の可動域や緊張も改善する効果があるとは・・・

またその他の介入研究では

糖尿病・心大血管疾患・呼吸器疾患・末梢血管疾患・慢性腰痛患者・パーキンソン病に対する理学療法の一部に

ノルディックウォーキングを組み込むことで、効果的な結果が得られた2) との報告がされています。

このように様々な疾患にも適応があるみたいで、

ただ歩くよりも活動量は上がりそうでより運動療法に適していますね。

また、

健常高齢者に対し12週間のノルディックウォーキング介入を実施することで動的バランス能力や歩行率が改善するとの報告3)もされています。

このように歩容やバランスにも影響することから、健常高齢者の体力向上や介護予防にも非常に有益かと思います。


いかがだったでしょうか?

ノルディックウォーキングの研究は日本ではそこまでされていないのが現状です。

介入研究ならなおさらです。

運動療法を提供する理学療法士としてはぜひ押さえておきたい知識ですね。

参考になれば嬉しいです。


参考文献

1)International Noldic Walking Association. https://www.inwa-nordicwalking.com/ (最終閲覧2020.9.4)

2)Marcus Tschentscher, et,al: Health Benefits of Nordic Walking A Systematic Review. 2013.

3)Sébastien Girold: Nordic Walking Versus Walking Without Poles for Rehabilitation With Cardiovascular Disease: Randomized Controlled Trial, 2016.

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