「歩数は1日1万歩が良い」
こんなことを聞いたことがあると思います。
果たして、本当に1万歩が良いのでしょうか?
答えは”NO”です。
今回は、
- 日本人の歩数の現状
- 1日にどのくらい歩けば良いのか
これらについて解説します。
データからみる日本人の歩数の現状
やや古いデータですが、2013(平成 25)年の国民健康・栄養調査による歩行量(歩数)の平均値は、男性7,099 歩、女性 6,249 歩となっています。(図1)
歩行量(歩数)の平均値の推移をみると男女ともに2008 年以降は、ほぼ横ばいの状況となっています。
しかし、中央値や歩数ごとの分布をみると、中央値は男性6500歩、女性6231歩と平均値より少なくなっていることがわかります。(図2)
特に男性では2万歩近くまで歩いている方もいるので、平均値を見るよりも、中央値でみた方が、国民全体の傾向が見えてきます。
正しい1日の歩数とは?
厚生労働省の推進する健康日本 21(第 2 次)では、性別・年代毎に日常生活における歩数の目標を定めています。
男性 の20~50 歳代の目標は 9,000 歩ですが、これを達成している人の割合は 34.3%となっており、60 歳代以上は目標 7,000歩に対して 36.1%という結果です。
女性 の20~50 歳代は目標 8,500 歩に対して 30.5%、60 歳代以上は目標 6,000 歩に対して 35.9%と、こちらも目標を達成している人は全体の 3 分の 1 程度となっています(表1)。
つまり、健康日本21の定める歩数に届いている方は30%程度であり、70%の方は意識的に歩く必要があるということです。
しかし、歩くといっても歩きすぎによる弊害も考えられるため、1日1万歩よりも、
- 20 歳~64 歳
- 男性 9,000 歩
- 女性 8,500 歩
- 65 歳~
- 男性 7,000 歩
- 女性 6,000 歩
を目標にウォーキングを行うと良いでしょう。
時間にしたら20分程度として、「やや息があがる」程度の強度がちょうど良いと思います。
また、加えてウォーキング + 筋トレやストレッチなどを組み合わせて行うとさらに効果があります。
より歩きやすくするためには正しい靴のを履いたりインソールを用いて歩容の調整を行うと良いでしょう。
過去の記事でまとめているので参考にしてください。
正しい靴の選び方を知っていますか?「歩く」という行為は簡単に行えるため、手軽に取り入れられる運動としてポピュラーですが、ただ行うだけでなく具体的にどの程度なら効果的か知っておくことで、健康や障害予防に繋がると思います。
参考になれば嬉しいです。
参考文献
国土交通省:まちづくりにおける健康増進効果を把握するための
歩行量(歩数)調査のガイドライン
https://www.mlit.go.jp/common/001186372.pdf
コメントを残す