体幹筋は四肢に力を伝達するための土台であり,スポーツや腰痛治療においても体幹筋機能が重要であることは広く知られています。
最近では高齢者の転倒予防や子どもの運動としても体幹トレーニングが用いられているでしょうか。
体幹トレーニングとして、
機能的な体幹の剛性を高めるために Bridgeexercise が行われます。
基本的な Bridge exercise として、Elbow-toe・Hand-knee・Back ridge・Side bridge があり、対象者に合わせて各エクササイズに上下肢挙上を行わせて難易度を調整していきます。
その中で今回は、基本的なエクササイズのHand-kneeの効果について解説します。
Hand – knee 方法
- 開始姿勢
- 両手・両膝をついて四つ這い(両手と両膝は肩幅程度に開き、頭は上げず顎を軽く引く)
- 腰は反らしたり曲げたりせずに中間位
- 片腕と対側の片脚を上げてキープ
- 腕と脚を上げた時に、両肩と両臀部が水平になる様に
注意点としては、体が傾いたり回旋しないこと・お腹を引き込むように力を入れることです。
Hand – knee 効果
ワイヤ電極を腹横筋および多裂筋に刺入し,各 Bridge exercise 時の体幹筋活動様式を検証した研究では、
- Elbow-toe 腹筋群の共同収縮
- Back bridge 背筋群の共同収縮
- Hand-knee 腹筋・背筋群の共同収縮
- Side bridge 支持側の外腹斜筋の賦活
と各エクササイズの効果が証明されています。
Hand-knee での上下肢挙上では,挙上した下肢と同側の多裂筋および反対側の脊柱起立筋の活動量が有意に増加がみられます。(図1)
このことから、例えばHand-knee で右上肢・左下肢挙上時に大きな代償動作が確認される場合,左多裂筋あるいは右脊柱起立筋の機能低下が疑われます。
このレベルであれば負荷量も高くはないと思うので、適応は広いと思います。
なんとなく体幹に効果があるでなく、腹筋群 or 背筋群?など
根拠を持って提供できると良いですね。
参考になれば嬉しいです。
参考文献
大久保 雄,金岡 恒治,今井 厚,椎名 逸雄,辰村 正紀,泉 重樹,宮川 俊平:腰椎 Stabilization Exercise 時の四肢挙上による体幹筋活動変化.臨床スポーツ医学会誌,19(1):94-101,2010.
コメントを残す