近年,スマホ・ゲームの普及や外遊びの減少による運動不足などにより,姿勢が悪くなり,運動器機能が低下して,しゃがめない,腕が真っ直ぐ上がらない,体前屈ができない,すぐ骨折するなど,子どもの身体に異変が生じています.
このように体がかたい・バランスが悪いなど,運動器機能が低下した状態を「運動器機能不全」または「こどもロコモ」と呼んでいます。
- こどもロコモの背景
- こどもロコモのチェック
- こどもロコモの対処法
こどもロコモの背景
独立行政法人日本スポーツ振興センター統計によると,子ども全体の骨折率は,40年間で2.5倍に増加しました。
そして中・高校の骨折率は,2000年頃からさらに増え続け,2011年には,1970年の3倍以上となりました。
一方,小学校は横ばい,保育園・幼稚園は減少傾向にあります。(図1).
これは外遊び場が減少し,携帯用ゲーム器が低年齢層にも普及してきた時期に重なります。
こうした背景から子どもたちは,小さなケガを経験する機会もなくなり,十分な危険回避能力が身につかないまま成長してしまいます。
その結果,中学になっていきなり専門的なスポーツ活動を始めるため,骨折などのけがにつながってしまうものと推測されます。
こどもロコモのチェック
こどもロコモのチェックは,以下の基本動作4項目です。
- 片脚立ち:左右とも片脚で5秒以上ふらつかず立てるか
- しゃがみ込み:途中で止まらず,踵が上がらず,後方転倒せずできるか
- 肩挙上:上肢を垂直に挙上できるか
- 体前屈:膝を伸ばしたまま,指先が楽に床につくか
注意として①は正面から,②~④は側面からチェックします。
これら4項目のうち,1つでもできなければ子どもロコモの可能性があります。
こどもロコモの対処法
子どもロコモは,家庭や学校でしっかり対処すれば,70~80%は改善すると考えられます.
ただしそのまま放置しておくと体が硬いままとなり,体の不調を訴えたり,怪我をしやすくなり,将来ロコモになってしまう可能性も危惧されます.
気がついた時点で早めに対処すれば,改善はそれほど難しいものではないです。
そのためにも保護者や学校が子どもをよく観察することによって異変に気づき,子どもと一緒に対処することが勧められる。
まずはよい姿勢をしっかり身につけること,そして家庭であるいは学校の体育の授業で,以下のような肩甲骨,股関節を意識した体操を毎日継続して行うことが大切です。
こどもロコモについてまとめました。
子どもロコモを予防することと改善することで運動能力アップや丈夫な体を作ることが出来ます。
暑い時期や新型コロナによってなかなか外出をすることができない時期ですが、家にこもりきりにならないように注意が必要です。
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