スクールトレーナーを知っているでしょうか?
学校現場に常駐もしくは定期的に関わるトレーナーのことです。
今回はスクールトレーナー制度と理学療法士可能性についてまとめていきたいと思います。
そのため、
- スクールトレーナー制度を知る
- 今後の理学療法士の可能性を考える
ことができるようにまとめていきます。
スクールトレーナーと理学療法士
平成27年3月に理学療法士協会から「学校保健における理学療法士の活用環境整備1)」が報告されています。
これは学校現場で行われている
一般財団法人運動器の 10 年・日本協会(以下、「運動器の 10 年」)の活動で、
学校保健における運動器疾患・障害および運動機能未成熟の早期発見・対応に対する整備課題解決対策の検討において
理学療法士の関わりの現状を把握するために行われたものでした。
その中で、多くの理学療法士が学校保健の活動に関与していることが明らかとなりました。
内容を見てみると、関与している者の多くは、クラブ活動など特別活動への関与でした。
そして今後整備においては、
学校保健の中で、生活の場面においてもより理学療法士が関与できるようにするには、教育職員免許状(教員免許)の保有者を増やす、もしくはスクールトレーナーの制度を創設する必要があると述べています。
現状、学校現場で関わりが多い職種は医師であり、
理学療法士が学校保健の中で活動していくためには、医師の事業への参加や医師との適切な連携が重要であるとまとめています。
このことから、現状でも理学療法士が関わっているが今後さらに運動指導や生活場面でも関わる必要があるということが動向として分かります。
理学療法士によるスクールトレーナーの効果
先行研究2)で実際に理学療法士が関わった効果が論文として発表されていました。
ここでは、
小・中学校における理学療法士による運動指導の有効な介入方法を明らかにしています。
方法として月に1回学校でストレッチを指導し3ヶ月後の下肢可動域や柔軟性に効果があるか検証しています。
結果としては、中学生では有意差が認められましたが、小学生では認められませんでした。
考察として、中学生は生徒の理解と学校教員の協力があったことが大きいとしていて今後の展望としては生徒・保護者への講習会の実施や家庭用の文書・動画の作成していくことが挙げられていました。
中学生年代である程度理解力があれば定期的な介入でいいかもしれませんが、小学生を対象とすると頻回な介入や保護者の協力を得て自宅でも行う必要がありそうですね。
他の取り組みを見てみると、PTやATが高校のトレーニングルームに常駐していて競技復帰のためのリハビリやアスレティックリハビリを行っているところもあるようなので、こういう点ではスクールトレーナーとしての需要がよりありそうですね。
今回はスクールトレーナー制度と理学療法士についてまとめました。
今後の動向は変化していくと思いますが、学校現場でも理学療法士として提供できることはあると思うので、学校保健領域への関心は持っておきたいですね。
参考になれば嬉しいです。
引用文献
1)平成26年度 公益社団法人日本理学療法士協会 政策企画業務執行委員会事業 学校保健における理学療法士の活用環境整備(事業番号:256)調査報告書
2) 門脇俊,内尾祐司:学校における理学療法士による運動指導の効果‐スクールトレーナー制度を見据えて‐.日本臨床スポーツ医学会誌.24(3) 2016.
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