Star Excursion Balance Test(SEBT) 目的と使用方法について

はじめに

SEBTとは

スポーツ競技場面にて必要とされる動的バランスを簡便に評価できる指標として開発されました。

動的バランス評価に有効であり、私もスポーツ現場や比較的若い方に対して用いることがあります。

こんな方におすすめ

この記事は

  • スポーツ傷害の予防のための評価が知りたい
  • 復帰のための指標が欲しい
  • バランス能力を知りたい

といった方におすすめです。


今回はSEBTの目的と方法についてまとめたいと思います。



SEBTの目的


SEBTは1998年にKinzeyによって発表されました。

これまでのSEBTを用いた研究には、足関節不安定性の評価や膝前十字靭帯損傷後のバランス能力の評価法として用いられており、主にスポーツ選手や若年者を対象にして行われています。

それらの下肢傷害予防や介入の効果判定としても活用することができます。



SEBTの測定方法


SEBT の測定動作は下肢のリーチ動作です。

リーチ方法について一側下肢を支持足、反対下肢をリーチ足として下図のように 8方向にのびた線の交点部分に足底の中心部が位置するように片脚立位をとり、
それを開始肢位とします。


支持足の踵や足尖が浮かないように足底をつけた状態を保ち、リーチ足の足
尖を、のびた直線上に沿ってできるだけ遠くへタッチさせます。

タッチ後は開始肢位まで戻ることを条件とし、遂行可能な最大リーチ距離を測定します。

なお、リーチの方向はリーチ足を基準として、前方、外側、後方、内側、前
外側、後外側 、後内側 、前内側の 8 方向
とします。


YouTubeに動画もあったので参考に載せておきます。



SEBTの信頼性


信頼性について、検者内信頼性は ICC(1.1)で各方向 0.88~0.96、検者間信頼性は ICC(2.1)で各方向 0.67~0.87 と高い信頼性が報告されています。

また、簡略化されたmodifiedSEBTも報告されています。



まとめ


SEBTは比較的信頼性が高く、簡便に行える評価となっています。

スポーツの外傷・障害に限らず高齢者のバランス評価としても用いることができると思います。

ラインがなくても、左右での差を比較するだけで、十分な評価指標になると思います。

参考になれば嬉しいです。



引用文献

Kinzey SJ、 Armstrong CW : The reliability of Star – Excursion Test in assessing dynamic balance.: J Orthop Sports Phys Ther 27(5)、1998、: 356-360


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA