「ムーブメントプレパレーション」は関節の可動性と筋の柔軟性を向上させることを目的としたものです。
ウォーミングアップとして利用することの利点として以下のことが挙げられます。
- ダイナミックストレッチで動きながら筋を伸張させることができる
- 体幹筋群を収縮させることができる
- 1つの筋群が収縮することで,拮抗する筋群がリラックスすることができる
- 体幹部の筋温を上昇させることができる
今回は、ムーブメントプレパレーションの解説と具体的な方法を紹介したいと思います。
そのため、
- ムーブメントプレパレーションとは何か
- ムーブメントプレパレーションの方法
が理解できるように解説していきたいと思います。
ムーブメントプレパレーションの解説
Mark Vが提唱したコアパフォーマンス・トレーニングとして、
①ムーブメント・プレパレーション
②プリハブ
③バランスボール・エクササイズ
④弾性
⑤ストレングス
⑥エネルギーの供給システムの開発
⑦リジュネレーション
の7つのユニットがあります。
この中で「ムーブメントプレパレーション」は
身体を動かすために行う準備のトレーニングであり、関節の可動性と筋の柔軟性を向上させることを目的としています。
ムーブメント・プレパレーションで行うすべての動作は体幹部を安定させること、脊柱の安定を保つこと、バランスを保つこと、拮抗筋に刺激を入れながら行うことが共通して重要事項となっています。
そのため、運動の前のウォーミングアップとして用いることができます。
ムーブメントプレパレーションの方法
フォワードランジローテーション
- 目的
- 体幹の安定性
- 腸腰筋、大胸筋の柔軟性
- 大胸筋、胸郭の可動性
- 方法
- 体を一直線にする(背中が丸まらないように)
- 後ろの膝を真直ぐに伸ばす
- 体軸を中心に上半身を回旋させる、指先をみる
バックサイドランジ
- 目的
- 体幹の安定性
- 腸腰筋、広背筋の柔軟性
- 大腿四頭筋、臀筋の活性化
- バランス能力の向上
- 方法
- 足幅は腰幅とする
- 足部は正面を向け、膝が内側に入らないようにする
- 後ろの膝は地面につけない
- 挙上している手は耳の横で真直ぐに伸ばす
- 後ろの臀筋を締める
カーフストレッチ
- 目的
- 下腿三頭筋の柔軟性
- 足関節の可動性
- 方法
- つま先をあげるようにし、脛の前の筋を収縮させる
- 地面を踵で押す
- 2秒位押したら戻し、繰り返す
インバーデッドハムストリング
- 目的
- 体幹部の安定性
- ハムストリングの柔軟性
- バランス能力の向上
- 方法
- 頭の先から踵まで一直線にする
- 骨盤が回旋しないようにする
- 軸足の膝は軽く曲げても良い
- 手の親指が空に向くようにする
- 顎を引き前傾した時は地面を見るようにする
シコストレッチ
- 目的
- 内転筋の柔軟性
- 股関節の可動性
- 股関節周囲筋の活性化
- 方法
- 足幅は肩幅より広くとる、上半身は前傾させ過ぎないようにして臀部を地面に近づける
- 臀筋を締めるようにし、5~10回繰り返す
ラテラルランジ
- 目的
- 内転筋の柔軟性
- 股関節の可動性
- 方法
- 足裏をしっかり地面につける
- 背中は丸めないようにする
- 臀部を突き出すようにする
- 爪先は正面にする
紹介は以上になります。
私の経験からムーブメントプレパレーションは体幹筋力がかなり求められるので、選手に実施するときはできない選手も出てきます。
そのような選手には段階を下げて実施する方が良いと思います。
また柔軟性獲得と姿勢保持が重要なので、
どこが伸びているかという点とどういう姿勢をとるかといったところを的確に伝える必要があります。
参考になれば嬉しいです。
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