医原性サルコペニア
という言葉を知っているでしょうか?
これは、入院している環境でサルコペニア状態となっていることを指します。
その原因として、医療スタッフの知識不足が影響していることも考えられます。
今回は
- 低栄養に関する知識
- 評価すべき項目
についてまとめていきたいと思います。
目次
医原性サルコペニアとは?
サルコペニアとは
「筋量と筋力の進行性かつ全身性の減少に特徴づけられる症候群で、身体機能障害、QOL低下、死のリスクを伴うもの」
と定義されます。
症候は
- 身体機能低下
- 筋力低下
- 筋量減少
の3つが挙げられます。
原因としては
- 原発性
- 加齢
- 二次性
- 活動
- 栄養
- 疾患
これら合計4つがあります。
医原性サルコペニアの原因は?
入院患者の71.0%が65歳以上の高齢者であり、
入院している高齢者の49~67%に低栄養、40~46.5%にサルコペニアを認めます。
約半数というのは驚きの数字ですね。
加齢 + 低栄養という因子が重なるためサルコペニアの発症リスクが高い状態にあると考えられます。
その中で私たちの知識不足から医原性サルコペニアを助長してしまうことが考えられます。
- 体重減少が続いているのに強度の高いリハを遂行する
- サルコペニアに対する評価や全身状態の管理をしていない
など、入院環境下の不適切な栄養管理とリハによって医原性サルコペニアが作られてしまうのです。
医原性サルコペニアに対する評価
全身状態
身体計測から行い適宜これらの評価とリハビリの介入内容について変更していく必要があります。
栄養状態
栄養摂取量の過不足を判定するためには、栄養摂取の過不足を評価する必要があります。
体重1 kg当たり、熱量30 kcal、水分量30 mL、タンパク質量1 g(腎機能正常な場合)が目安となります。
リハビリ場面でなく、他職種と情報共有を行い、管理しながら行うことで医原性サルコペニアが防げそうですね。
今回は医原性サルコペニアの基礎から評価まで解説しました。
リハビリの負荷量に関してはこちらの記事でまとめていますので、こちらから読んでもらえればと思います。
低栄養状態でのリハビリの運動負荷をどのように設定するか?【血清アルブミン値】参考になれば嬉しいです。
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