今回は、子どもの健康がテーマです。
子どもと食事の研究はあまりされてませんが、
幼児期の朝食摂取と肥満との関連を調査した研究論文が、日本疫学会誌に掲載されていたので紹介します。
結論として、
2歳半で朝食を取っていた小児と朝食を取っていない小児を比較すると、統計的に過体重・肥満のリスクが有意に増加した
ということです。
この記事は
- 子どもの育児に関わる方
- これから子どもを育てていく方
は参考にしてみてください。
朝食の重要性
朝食を摂らない食習慣は健康に良くないイメージがあると思います。
実際、朝食を摂らない人では、そうでない人に比べて心臓病による死亡リスクが高いという研究も報告されています。
朝食を摂らない人は肥満リスクの増加が知られており、それゆえ心臓病のリスクが高まるのかもしれません。
しかし、未就学児童を対象とした研究は少なく、幼児期における朝食の摂取とその後の健康状態についてはあまりよく分かっていませんでした。
ちなみに小中学生では多く報告されていて、文部科学省 「平成20年度全国学力・学習状況調査」によると、朝食を食べないことがある小・中学生の割合は、小学生で13%、中学生で19%に達しています。
幼児期や就学児童の朝食のメリットは以下のものがあります。
- 体温を上昇させ朝が眠くても目を覚ますになる
- 血糖値が高まり脳が働くようになり活動的になる
- 生活リズムがつき健康になる
このことからわかるように朝食は非常に重要です。
子どもの肥満
実際、子どもの肥満はどの程度増えているのでしょうか?
近年20年ほど、子どもの肥満は急激に増えているといわれています。
原因は食生活の欧米化、子どもの外遊び時間の減少など多岐にわたりますが、1970年代には全体の5%以下だった肥満児の人数が、現在では10%を超える割合にまで増えています。
子どもの肥満のほとんどは単純性肥満(原発性肥満)と言って、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っているためのもののようです。
食事・おやつ・ジュースなどの過剰摂取、食事内容のバランスの悪さ、運動不足などによって起こるものがほとんど。
このことからも、食事内容にもよりますが、朝食を摂らないことで栄養のバランスが崩れて間食を食べるようになったり、生活のリズムが作れなさそうですよね。
朝食を取らない子は肥満リスクが増加する
研究では、2001年に日本で出生した新生児のうち5万3575人が調査の対象となりました。
2歳半における朝食の摂取状況が調査され、その後の過体重(肥満には該当しないものの、身長と比較して体重が多い状態)、もしくは肥満との関連性が検討されています。
出生時の体重などで統計的に補正して、解析した結果、過体重もしくは肥満のリスクは、2歳半で朝食を取っていた小児と比較して、朝食を取っていない小児では、7歳時点において男児で21%、女児で24%、10歳時点において男児で22%、女児で19%、統計的にも有意に増加しました。
ただし13歳の時点では、男児で38%の増加が認められた一方で、女児では明確な関連性は示されませんでした。
やはり、先ほども述べたように朝食を取らないことが直接的に体重を増加させているというよりは、間食など不規則な食事による栄養バランスの偏りが肥満につながっているのかもしれません。
特に男児では、その後の肥満リスクが一貫して増加しており、長期的な健康への悪影響が懸念されます。
リスクが一貫していることから、なるべく早くから肥満は解消しておいた方が良さそうですね。
朝食は、大人にとっても重要と言われていますが、幼児期からも必要なことということがわかりました。
朝食を摂らない原因は何なのか(起きれない・食欲がない・気が向かない・・・)をはっきり理解することでその対処法となりそうですね。
参考になれば嬉しいです。
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