「・・・。」
この仕事をしていると、
話しかけてもうまく伝わらなかったり、聞こえていない高齢者の方に出会います。
加齢によって耳が聞こえにくくなることは「難聴」といわれています。
今回は難聴の原因と改善策をまとめていきます。
目次
難聴とは?
音は外耳から入り、鼓膜を振動させ、耳小骨という小さな骨で増幅されて、音を感じる感覚細胞が存在する内耳に伝達されます。
内耳からは聴神経を経て脳の聴覚中枢へ伝達されて処理され、音や言葉を弁別しています。
難聴は、この経路のどこに障害が起きても生じます。
外耳から中耳までの音を伝える経路の障害(伝音難聴)と、内耳から聴覚中枢に至るまでの障害(感音難聴)、そして両方が混ざった混合難聴があります。
この原因によって症状や改善策が異なります。
伝音難聴の原因
伝音難聴の原因としては鼓膜に穴が開く(慢性穿孔性中耳炎)、中耳に液体が溜まる(滲出性中耳炎)などがあります。
高齢者では耳から鼻に溜まった液体を出す耳管の開け閉めの機能が低下して滲出性中耳炎になりやすいと考えられています。
その他に、耳垢が耳を塞ぐ耳垢塞栓も高齢者の1割にみられます。
感音難聴の原因
感音難聴の原因としては老人性難聴や騒音性難聴があります。
一般的に加齢で生じる難聴はこちらでしょう。
老人性難聴は、一般的に両側の耳に同じように起こり、高い音のほうがより聞き取りにくくなることが特徴です。
特に ‘さ行”は行”か行’などの聞き違えが多くなります。
老人性難聴の原因は遺伝や騒音暴露、生活様式(栄養、喫煙、運動ほか)、持っている疾患などの原因が複雑に絡まっていると考えられます。
難聴の治療
老人性難聴を回復させることは、現段階では困難です。
そのため補聴器を使って聴力を補う方法が選択されます。
補聴器は難聴によって生じるコミュニケーションの障害を補う医療機器なので、補聴器の適応は、難聴の程度だけでなく、日常生活に不自由を感じているかで考えます。
私は基本的に補聴器の使用を勧めます。
聴覚が低下していると感覚入力も低下するので、認知機能低下などの機能低下を加速させてしまうからです。
蝸牛の中に電極を入れて聴神経を直接刺激する人工内耳という方法もあるようです。
音を電気信号に変えるため、機械的に合成された音として聞こえます。
人工内耳の適応がある方は補聴器の効果がなく、全身麻酔の手術が可能な方です。
難聴の原因についてまとめました。
ただ「耳が遠い」だけでコミュニケーションをとるのではなく、「こういう原因があって耳が遠い」と考えるとコミュニケーションも変わるではないでしょうか?
参考になれば嬉しいです。
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